九州が、あつい!! ~SPL&MDDセミナー受講記~
2011年 3月25日(金)に、福岡にて行われた下記のセミナーに参加してきました。
『プロダクトラインセミナー』+『モデルベース開発セミナー』
午前の部:プロダクトラインセミナー ~SPLへの最初の一歩としてのXDDP~
午後の部:モデルベース開発セミナー ~モデルベース設計・検証事例~
第一部 ・・・ 自動車業界におけるモデルベース開発事例
第二部 ・・・ モデルベース開発とSPL・九州地域の取り組み
午前の部は、
前半は、派生開発特化したプロセス:XDDPについての紹介 (講演)
後半は、SPLの導入について(XDDPはSPL導入として使えるか)をテーマにした、パネルディスカッション(*)
(*) パネル登壇者については、ES-Kyushu のセミナー告知をご覧ください
でした。
私の先月のBlog記事をお読みいただいていた方は、「おやっ どっかで見たような...」と思われた方もおいでではないでしょうか。 昨年11月に行われた、JASA主催のETセミナーとそっくりです。(こちらのセミナーについては、プロダクトラインと派生開発(その2) で触れています。)
似ているどころか、開催・企画もJASAで、後半のパネルディスカッションは、11月のセミナーのまとめをスタート地点として、話が始められました。
前回と今回のパネルでの大きな違いは、SPLを全社導入を試みた、富士通九州ネットワークテクノロジーズ(株)(以下、九ネット)の岩崎氏がパネラーに加わっていたことでしょう。『SPLを導入するためには...』 というお題に対し、九ネットさんの事例で、どうであったかというコメントが要所要所でお話くださいました。
このパネルで記憶に残った登壇者の皆さんのコメントに、以下のようなものがありました。
九ネット 岩崎氏:SPLが成功するための下地としては、(社内で)開発プロセスがしっかりあった。 ものの本から、実践できる開発プロセスに落とし込むのは、かなり大変。 元々プロセスができていれば、そこにアドオンする形でSPLを取り入れるのなら可能である。
SRA 林氏:SPLに取り組むためには、2Fに上がる梯子(**)を一歩一歩上がっていくことを知っていれば、決して難しいことではない。SPLは体質改善(生活習慣を変える)である。それを維持していくことが難しい。また、それを実施するための熱意が必要。それを発する人が一人以上いて、継続していくことが重要(これは、教科書には書かれないポイント!!)。
(**) SPLは2階建ての2Fの技術、ソフトウェア工学的基礎体力が1Fにある。
という、前回パネルのまとめのお言葉から。
XDDPの清水氏:XDDPによって、SPL実施のための下地作りはできる。近い将来SPLを考えないと、プロダクトとしてはどんどん他社に後れを取る。早く取り組まないと、後発開発は短期開発に迫られ、また新しい技術を取り入れる余裕もなくなり、差が開く一方になる。
といった、かなり熱い(というか、渇!って感じ)のお言葉。
パネル自体も、後半になればなるほど、話が盛り上がり、質疑も熱さを増すなかでの締めくくりになりました。
また、その間の会場の皆さんも、かなり必死にメモを取っていらっしゃいました。
組込みソフトウェアに限らず、短期に品質の高いソフトウェアを開発できる体質づくりが、早期に求められているのは、納得です。
その体質づくりは、大規模開発の現場以外でも、必要であると思います。
プロダクト開発と並行して、体質づくりは進められる。いつ着手するかなど、迷っている場合ではなくなってきている。
と、今回強く感じました。
...さて、長くなりましたので、午後のセッションについては、次の記事にてご報告とします。
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