DFDモデル お勧めできない例(その2)
# ゴールデンウィークで、先週更新をサボったので、今週は記事二つUPにしました。
またまた、DFDモデルで見たお勧めできない例です。
今回のモデルは、こちら!
何がお勧めできないポイントかといえば、プロセス間で受け渡しているデータ(青点線で囲んだ所)を見てください。
”xxx完了” って具合のデータが行き来しています。
WHATでプロセスの分割だけを考えると、こういったデータは出てきません。
プロセスの役割分担を表すのではなく、実行順序を示そうとすると、プロセス間に無理やり何か渡そうとして、このようなデータが出てきます。
DFDでは、プロセスの実行順序は表しません。
あくまでも、各プロセスの役割と、プロセス間のデータの流れだけを表しています。
各プロセスは、その○に流れ込むデータを使って、○から流れ出るデータを出力する処理(役割)が成り立てば、他のプロセスとの実行順序がどうでも、 ”知ったこっちゃない” というのが、原則なのです。(*1)
この例のように、xxx完了 とか xxx指示 といったフラグっぽいデータ名が出てきたら、要注意です。
また、そのデータを入力されたプロセスの中を考えてみると、役割を果たすためにはそれは必要ない。たんなる起動のきっかけになっていることで多いでしょう。
繰り返しますが...
DFDは、フローチャートや、アクティビティ図ではないので、処理の順序は表しません。
この例のようなデータが現れてきたら、やはり HOW で考えてしまっている兆候なので、お気をつけくださいませ!
(*1)
どうしても、プロセス間の実行順序を表現したい場合があります。
そのために CFD(Control Flow Diagram)という表記法がありますが、これは難しいので今回は触れていません。
※ 関連記事: Interface 2011年6月号
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